災害時にキャンピングカーは役に立たない事もある。
台風や地震、最近では何十年に一度と言われる様な記録的な災害が起きています。
こんな時、災害時にキャンピングカーが重宝すると言う話しを聞きますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
私自身、ライトキャブコンと言われるキャンピングカーを所有してますが、災害時に活躍となると幾つかの問題があります。
もちろん、問題点をクリアしたキャンピングカーなら災害時に役に立つと思います。
東日本大震災の経験を元に、何が災害時に必要な装備かを見ていきましょう。
車中泊で起こるエコノミークラス症候群は大丈夫?
多くのキャンピングカーでは、車の中で過ごす事を目的として作られている為、この点ではキャブコンやバンコンなど、普通乗用車に比べれば歴然です。
実際、何度も車中泊している私は寝苦しいと思った事は少ないです。
我が家のライトキャブコンと言われるアミティRRでも、家族4人で窮屈なく足を伸ばして寝る事もできますし、立って移動できる高さがあるので、同じ姿勢を続ける事で起こるエコノミークラス症候群の心配は少ないかな?と思えます。
停電になった!バッテリーのあるキャンピングカーなら安心?
大抵のキャンピングカーにはサブバッテリーが装備されてます。
このサブバッテリーを使って車内の電力を賄っている訳ですが、バッテリーの容量や搭載されている数で使用できる電力が変わってきます。
私のキャンピングカーでは、1年使用して若干弱ったバッテリー1個搭載してますが、満充電でも、冷蔵庫と照明、換気扇と携帯電話の充電使用だけで一泊二日以上となると心もとないです。
次の日に停電が復旧する見込みがあるなら安心ですが、いつ復旧できるか分からない状況では満足に電気も使えなくなります。
ただ、予備の電力があるって点ではキャンピングカーのメリットになりますよね。
ソーラーパネルが必要。
予備バッテリーの話しをしましたが、使ってるだけでは一泊二日が限度。
バッテリー電力が減ってきたら充電しなくてはなりません。
停電の中、バッテリーを充電させるにはエンジンをかけるか、ソーラーパネルで充電させるかの2つです。
エンジンをかけて充電。
東日本大震災が起きた時、ガソリンスタンドが閉鎖し、燃料不足の事態がおきました。数日後に一部で復旧しましたが、燃料を入れたい人で渋滞が起きた程です。
この点を考えるとエンジンをかけて充電は得策とは言えません。
災害時では燃料は手に入り難いと考えておきましょう。
ソーラーパネルで充電。
こんな時に役に立つのはやはりソーラーパネルでしょう。
車を動かさず電力を賄ってくれます。
ソーラーパネルのスペックにもよりますが、良いものならバッテリーの心配はかなり軽減されます。
災害時に役に立つキャンピングカーと言う面ではソーラーパネル装着は必須となってきます。
残念ながら我が家のキャンピングカーはまだソーラーパネル未装着です。
いずれ自力で付けようとは思っていますが、今のところ災害時に心配が残ります。
避難先で自炊しよう!でも待って!
キャンピングカーには車内にキッチンが備え付けられてる物があります。
私のキャンピングカーには固定されたコンロはありませんが、カセットコンロが置いてあります。
もちろん、カセットコンロで調理する事は可能ですし、旅先でも料理を楽しんでますが、問題はガスの方です。
我が家の場合、燃料となるのはカセットボンベですが、東日本大震災の時、ガソリン同様にカセットボンベも手に入り難くなりました。
この点を考えると、キャンピングカーでの自炊は難しくなる。と考えていいでしょう。
災害時を考えれば非常食が頼りになると思います。
キャンピングカーには冷蔵庫がある!けど?
停電時に冷蔵庫があるのはありがたい事です。しかしここにも落とし穴が。
いつ電気が復旧するか分からない状況で限られた電力を使うとなると、使用する電化製品に優先順位をつけなくてはなりません。照明や、携帯電話の充電、冬であればFFヒーターなどが上位に上がってくると思われます。
そうなると冷蔵庫は使えなくなってきます。
これもまた、ソーラーパネルかあればいくらか解消できるかもしれませんね。
災害時での水不足はキャンピングカーでも一緒。
災害時に断水してしまうと、水の確保も大変です。お店でもすぐに売り切れてしまいます。
私のキャンピングカーでは20リッターまで貯水できます。
しかしながら、水は腐ったりカビたりする為、普段は空の状態です。
我が家でも出かける時くらいしか貯水はしません。
災害時の水の確保はキャンピングカーもお手上げです。
断水と言えばトイレの問題。
トイレの付いていないキャンピングカーも珍しくありません。
我が家のキャンピングカーにもトイレは付いてませんでした。
ただ、アミティRRにはマルチルームと言う小さな部屋がある為、そこにポータブルトイレを取り付けています。
このポータブルトイレも便利なのですが、手動水洗トイレになり、やはり水が必要になってしまいます。
凝固剤などがあれば水を使用しなくて済むそうなので災害時のトイレ用にあると安心ですね。
実際、東日本大震災の時、浦安のコンビニで働いてた友人に聞くと、交通機関のストップにより、歩いて帰られる方が多く、トイレを借りにくるお客さんがいっぱいいたそうです。しかし、当時浦安は断水しておりトイレで水を流せない為、汚物だらけになってしまったそうです。
トイレを搭載したキャンピングカーなら避難時でもプライバシーを確保しながら用を足せる事は良い点です。
季節による問題もあります。
夏と冬、いつ災害が振りかかってくるか分かりません。
キャンピングカーには低電力で車内を暖めるFFヒーターが存在します。このFF ヒーターを搭載してるキャンピングカーならば寒い冬でも低電力と少しの燃料で暖かく過ごす事ができます。
逆に夏になると室内用のクーラー設置が必要ですが、大きな電力が必要な為、それを動かすインバーターも必要です。また電力消費も大きく実用的ではない為、夏場は避難場所として課題が残ります。
まとめ。
災害時にキャンピングカーを避難場所として使うにあたってまとめてみました。
室内で過ごせる点は○
電気はソーラーパネルがあれば○
なければ△
調理はできるがガスの調達が難しい△
冷蔵庫の使用は現実的に困難△
トイレを搭載してれば○
夏は×
冬は△
水とガスの入手は困難。これはキャンピングカーだからと言ってもどうしようもありません。
ガスの場合はストックしておけるので良いですが、水は難しいですよね。
探せば10年保管できる水もあるみたいです。
1日、2日の避難場所としてならば重宝するかも知れませんが、災害になると、いつ何が復旧するか予測できません。
体育館で何日も過ごさなければいけない状態であればキャンピングカーではプライバシーを保てる分、寝る事とトイレなどストレスは少くなりそうです。
また夏の暑い日には避難場所として適切ではなくなります。
燃料、水、電気、ガスなどライフラインが整っていないとキャンピングカーでも厳しい生活を余儀なくされます。
キャンピングカーがあれば災害時に役に立つなど、過度に期待すると大変です。
災害時ではどんなシチュエーションがあるか分からない為、キャンピングカーが役に立つかも?くらいに考えておいた方が無難です。
キャンピングカーはあくまで旅を楽しむ物と考えておいた方が良いでしょう。